西区八軒5条東5丁目で195床体制となる新病院としてオープンし、1年が経過しました。「大幅な診療機能の拡大とともに、地域の医療・介護施設と連携し、地域完結型医療を実現したい」という目標を立て、内科、外科、消化器内科、消化器外科、呼吸器内科、循環器内科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、リハビリテーション科、麻酔科など、幅広い診療科をそろえました。この1年に、苦痛がない胃・大腸カメラで多くの実績をあげ、外科手術も傷が小さく体への負担が少ない腹腔鏡手術(胃、大腸、胆嚢、虫垂炎、鼠経ヘルニア)を数多く行いました。骨折、捻挫をはじめ、リハビリテーション、リウマチ、脊椎脊髄に精通した日本整形外科学会専門医が、病態、ライフスタイルを考慮し治療方法の提案とアドバイスを行っています。「通院が難しい、リハビリが必要、独居で自立が困難になった」透析患者様を対象とし、入院透析も開始しました。慶應義塾大学腫瘍センター ゲノム医療ユニットと連携し、がん遺伝子検査を行っており、併せて外来化学療法も充実させています。
さらに地域密着型医療を展開するために、急性期病院での治療後すぐにご自宅復帰するには不安がある方で、治療の継続とより重点的なリハビリ提供での改善を必要とする方のための回復期リハビリテーション病棟と、在宅療養中の方の受け入れや介護疲れなどの一時休息(レスパイトケア)および、急性期治療後に病状が安定した患者様の在宅や介護施設への復帰支援を行う地域包括ケア病棟を充実させていきます。
コロナも5類となりましたが、気を抜けない状況は変わりなく、これまで同様に発熱外来を開設し、コロナのみならずインフルエンザ患者様の対応も行っています。夜間、休日救急外来でも、迅速に多くの患者様をお受けできるように、救急担当ナースを配置し機能を充実させています。また健診センターには女性医師を配置し、婦人科検診・乳がん検診を行っています。患者さんの尿を用いた負担が全くない検査で、早期がんリスクを検出することができる尿中マイクロRNAを測定する検診も行っています。
新病院設備の基本方針
・ 永続的に医療を提供するに相応しい新病院を建設するため、患者・家族や病院職員の視点を十分考慮するとともに、病院運営の継続性、将来的な医療環境の変化への対応、地球環境への配慮、経営負担の軽減に配慮する。
・当院の医療機能を支える院内各部門の業務機能を検討し、全ての病院職員がそれぞれの専門性を最大限に発揮できる働きやすい環境を整えることで、医療の質的向上をもって地域医療に貢献する。
・ セキュリティの向上、感染対策やプライバシーに配慮し、かつ安らぎの空間を創り出すことで、患者が安心して医療を提供できる環境を整える。
・災害発生時にも医療活動を継続できるよう敷地内の建物配置、建物構造及び設備計画に十分配慮する。
・医療制度の改革や医療技術の飛躍的な発展、医療機器の高度化・大型化などの医療環境の変化に対応できる設計計画とする。
・自然エネルギーや井水などの有効活用により、省エネルギーによる地球環境の保全と病院運営上のエネルギーコストの圧縮を図る。
・持続的な病院経営を実現するため、必要な建物・設備の機能を十分に確保しつつ、過剰投資を防止する。また、修繕費などの維持管理費用を含めたトータルコストの適正化を図る。