札幌西レディースクリニック2025取材記事 | 北海道の病院・医療施設の検索サイト メディカルケアガイド

インタビュー

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札幌西レディースクリニック

  • 産婦人科
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産後ケア事業を開始し“産んで終わり”ではない周産期医療を実践

 馬場 征一医師が理事長・院長に就任し、いったんお休みしていた分娩対応を2024年7月から再開した札幌西レディースクリニック(2005年開院、札幌市西区)。さらに2025年には産後ケア事業を開始するなど、“産んで終わり”ではない周産期医療を実践している。多角的アプローチで妊産婦に寄り添う診療について、馬場院長に話を伺った。

馬場 征一 理事長・院長

馬場院長 現在は平均すると月に20件弱の分娩数になってきています。当院周辺地域においても「西レディースクリニックではお産をやっている」という事がだいぶ周知されてきているように思います。予定や緊急の帝王切開による分娩も可能であり、麻酔科専門医の先生に麻酔をかけていただいております。

馬場院長 患者さんから目に見える場所と目に見えない場所、ともによりよい方向になるよう心掛けました。すでに当たり前の景色のようにキッズルームや授乳室、無料のドリンクなどございますが、大きく変わったのは電子カルテや予約システム、電子決済の稼働ですね。予約システムから電子カルテが稼働することにより医療従事者側からも翌日来る患者さんの把握や事前のオーダーなどが可能となり、それにより最終的に待ち時間の軽減も可能になりました。そういった意味でも患者さんのみならず働くスタッフにとっても以前より働きやすいシステムが構築できてきているかと思います。

馬場院長 そもそも社会における産後ケアの需要が非常に高いということが最大の理由です。人間の子育ては、本来集団でのサポートを受けながら子育てをする動物だと言われておりますが、核家族化の昨今、お母さんだけのワンオペで赤ちゃんの面倒をみざるをえない状況に追い込まれている方が一定数いらっしゃり、心身を休めることが必要となってきます。当院は4月から産後ケア施設(札幌市指定)に認定されたこともあり、比較的安価で産後ケアを受けて頂けます。母子ともに入院して頂くことで、助産師等が赤ちゃんを一時お預かりし、お母さんに休養してもらうことも可能です。その他、助産師による体調管理や育児のアドバイスから、沐浴・授乳のサポート、おっぱいのケアなどを提供しております。また産後ケア事業以外にも当院では、外来での育児相談(無料開放)や赤ちゃんの睡眠相談なども承っております。

LDRは過ごしやすく、病室は全室個室となっております

患者様の情報を共有するため、スタッフとのミーティングを密に行っております

馬場院長 赤ちゃんが夜頻回に起きたり、なかなか寝てくれない場合、特に核家族のご両親にとっては不眠から大きなストレスになり、そういったことを引き金に最悪の場合は夫婦不仲の原因になったりもします。当院では、赤ちゃんをどうやって“ねんねトレーニング”するか、睡眠コンサルタントが適切なアドバイスをします。基本的には規則正しい生活リズムが妊娠中から大事なので、まず夜更かしをしない事から生活には気を付けていただくのがよいかと思います。

馬場院長 そうですね、話せばきりがないくらいですが、政治の場でも表面的な「少子化対策が重要です」という言葉連呼の総論賛成、実際に必要な施策にお金を出すと各論反対みたいなことが多いですよね(苦笑)。また単に出産だけでなく出産後も長い子育て期間が待っており、そこもとても重要です。例えば小学校で、共働きの家族が多いのにも関わらず、一部の教育現場では専業主婦でなければ時間的に「ムリゲー」とも思える状況が発生しています。また、その先の中学から大学教育まで行きますと、学歴社会の加熱した教育や受験、いじめなどの社会問題が重なり、親になる事への恐れに繋がっているのではないでしょうか。そういった根本的な社会課題の解決なくして、少子化の流れは止められないように感じています。また、どうしても若いご夫婦の出産を増やす政策にばかり目が行きがちですが、高齢出産が増えている状況では赤ちゃんの子育てと両親の老後や介護を同時に見なければいけない状況も発生し、そういった問題をどうするのか?も考える必要があります。

馬場院長 妊娠出産される世代はスマホが当たり前の時代で、面倒なアナログ的な事をそもそも経験したことがない方が多くなってきています。男女の出会いからしてもアプリで相手の条件をクリックして探すこともできます。ただ、子育てはまさにアナログで、赤ちゃんは大人の使う言葉を話してくれませんし、LINEで自分の気持ちや状況を送ってきてくれません。もちろん赤ちゃんの脳に人生の生き方をダウンロードもできず、すべて原始的な五感の刺激による地道な成長を促すことが必要となってきます。またご両親から赤ちゃんの機嫌の悪さや「少し熱っぽいかな」「ウンチの色や性状がいつもと違うな」「ミルクや水分が足りないのかな」などの気づきはアナログの要素がとても大事になってきます。そういった感性で人間性が磨かれるのは、ご両親にとっても貴重な体験であるかなと思います。

馬場院長 当院では8月から、計画無痛分娩を開始いたしました。徐々に無痛導入が可能な日時や時間帯を増やして参る予定です。産後ケア事業も含めて、“ただお産をするだけではない”心のこもった周産期医療を一貫した流れで展開してまいります。赤ちゃんの睡眠相談、外来での無料育児相談も行っておりますので、出産を考えておられる方、子育てで不安を抱えておられる方はぜひ当院にお越しください。

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※メディカルケアガイド2025年西区版に掲載されたインタビュー記事です

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