あさひかわ駅前内科
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糖尿病・甲状腺疾患に基幹病院レベルの診療提供
2023年10月に開院した「あさひかわ駅前内科」。院長の永島 優樹 医師は長年にわたり、道北・道東の基幹病院で内分泌疾患の臨床を重ねてきた糖尿病内科専門医だ。健康寿命の増進まで考えた”無理なく病気と向き合う診療”が実を結び、早くも地域住民から絶大な信頼を得ている。糖尿病から甲状腺疾患まで、幅の広い同院の診療について永島院長にお話を伺った。

永島 優樹 院長
2006年、旭川医科大学卒業。北見赤十字病院 初期研修医、旭川赤十字病院、旭川医科大学、名寄市立総合病院 糖尿病・代謝内科 医長、市立旭川病院 糖尿病・代謝内科 診療部長を歴任。23年10月、あさひかわ駅前内科を開院。
■インスリン、GLP1受容体作動薬を通院のみで調整
―永島院長は23年10月に貴院を開院されました。それまでのキャリアについて教えてください。
永島院長 旭川医科大学を2006年に卒業し、初期研修医として北見赤十字病院に勤務しました。その後、旭川赤十字病院、旭川医科大学病院、名寄市立総合病院、市立旭川病院など地域の基幹病院で糖尿病・内分泌疾患の診療を行ってきました。市立旭川病院では、糖尿病・代謝内科の診療部長を23年4月まで務めました。
―糖尿病内科がご専門ですが、どのような疾患の治療を得意としておられますか?
永島院長 糖尿病をはじめとした生活習慣病、甲状腺疾患などの内分泌疾患に対し、専門医として質の高い治療を心掛けております。
―それではまず、力を入れておられる糖尿病治療について疾患の特徴など教えてください。
永島院長 健康な方の空腹時の血糖値は100(単位はmg/dL、以下省略)前後です。110を超えると糖尿病予備軍とされ、126を超えると区分上は糖尿病の条件の1つを満たすことになります。ただ、軽症の段階では殆ど自覚症状がないのが厄介な点で、健診等で糖尿病と診断されたとしても、治療が後回しになりやすい傾向があります。一方で血糖値が300を超えるような重度の糖尿病では、「喉の渇き」「頻尿」「慢性的な倦怠感」といった症状が表れます。体重が10㌔以上減る人も珍しくありません。治療が遅れると意識を失うこともあり、最悪の場合は命に関わります。肝心なのは、軽度なうちに早めに治療を開始し、重症化させないことです。
―糖尿病には1型、2型があります。大きく異なるのですか?
永島院長 実は血糖値を上げるホルモンは複数あり、1つのホルモンが不足しても血糖値が下がりすぎないよう体のシステムができております。逆に血糖値を下げるホルモンは、膵臓から分泌されるインスリンしかありません。インスリンを分泌する膵臓の機能が低下し血糖値が上がるのが1型糖尿病で、原則としてインスリン自己注射による治療を生涯続ける必要があります。一方、2型糖尿病は生活習慣と関連が深く、もともとインスリンの分泌量が少ない方の過食や肥満で少しずつ血糖値が上昇します。膵臓機能の比較で言えば、1型糖尿病の方が重いと考えられますが、2型糖尿病も進行するとインスリン注射が必要な点では共通します。その意味で1型と2型の差異は、糖尿病を発症するきっかけの部分だと言えます。
―合併症を引き起こすのも糖尿病の怖さです。どのようなものが挙げられますか?
永島院長 糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害が三大合併症です。目の合併症には眼底出血や網膜剥離等があり、失明や大幅な視力低下の原因になります。次に糖尿病腎症ですが、腎臓の合併症が進むと週3回ほど人工透析に通わなければならず、生活の質に(QOL)影響します。三つ目の糖尿病神経障害は症状が多彩で奥が深く、よく知られるところでは、血流障害による足病変があります。足の組織が壊死している患者さんの中には、麻酔が無くても皮膚の切開ができるほど神経障害が深刻な方もいらっしゃいます。足の切断に至ることがありますので、糖尿病の方は足の傷を放置せず、早めに治療を行う必要があります。これらの合併症はいずれも、健診でちょっと引っかかる程度の軽い糖尿病でも少しずつ進行するとされています。血糖値の高い方は将来的な大病リスク軽減のため早期治療が肝心です。

奥行きがあり、ゆったりとした待合室。対面にならないようにソファを配置しておりますので、リラックスしてお過ごしください
―貴院では、どのような治療をされているのですか?
永島院長 症状の程度により、食事・運動・薬物・注射療法を使い分けます。症状の軽い方には、まず食事・運動療法を試します。当院では管理栄養士による栄養相談(火・水・木曜の午前中)を行っており、食事療法だけで血糖値が大幅に改善する患者さんもいらっしゃいます。栄養相談をご希望の方は、ぜひ当院にお越しください。薬物療法については、時代とともにお薬も進化しております。近年良く使われるお薬としては、おしっこに糖を出して血糖を下げる薬(SGLT2阻害薬)やGLP1受容体作動薬があります。特にGLP1受容体作動薬は、食欲を抑制しつつ血糖値を下げられるため、肥満解消の効果も期待できます。しかし本来は痩せ薬ではありませんので、糖尿病の治療以外で使用する場合、旭川市で処方できるのは日赤と旭川医科大学のみです。当院にも、肥満解消のためにGLP1受容体作動薬の処方を望まれる患者様はいらっしゃいますが、その場合は紹介状を手配します。もちろん糖尿病の患者様には、当院にて処方が可能ですのでご安心ください。一方、SGLT2阻害薬等については近年、心臓や腎臓の負担を和らげる効果も報告されております。そのため、糖尿病の治療でもSGLT2阻害薬を選ぶ傾向にあります。
―続いてインスリンとGLP1受容体作動薬を使った注射療法についてお伺いします。GLP1受容体作動薬については飲み薬があると先程伺いましたが、注射療法を含め2種類あるのですか?
永島院長 おっしゃる通りです。GLP1受容体作動薬は元々、注射療法での使用を考えて作られた薬剤です。飲み薬として使う場合、服用時間や水の量などでいくつか制約があります。特殊な服用法を毎日続けるのは患者さんにも負担が大きいため、GLP1受容体作動薬については週1回で済む注射療法の方をお勧めしております。一方のインスリン注射ですが、想定するケースは2パターンあります。1つ目はインスリンに頼らざるを得ない場合で、食事・運動・薬物療法の効果が芳しくない方が対象です。もう1つは薬物療法の効果を上げるために、高止まりしている血糖値をインスリンである程度まで下げてしまう治療です。低い時の方がコントロールしやすくなる血糖値の傾向を考えた治療で、前者に比べるとインスリンの積極的な活用と言えます。いずれにしても、患者さんの症状を適切に判断して行います。
―貴院では甲状腺疾患の治療でも高い実績を誇っておられます。健診等で異常を指摘されて患者様が訪れるのですか?
永島院長 一般的な健診で、甲状腺ホルモンの検査を行うことは少ないと思います。首の腫れを指摘され来院される患者さんは時々いらっしゃいますが、むしろ、母親が甲状腺疾患を持っているため、念のために検査に来られたという方が多い印象です。あと、コレステロール値が高い方の中には、調べてみると甲状腺疾患が隠れているケースもあります。
―甲状腺の機能や、多くみられる疾患について教えてください。
永島院長 甲状腺は体のアクセルのような役割を果たすホルモンの分泌を担っております。最も頻度が高い甲状腺疾患はホルモンの分泌量が低下する橋本病で、全体の90%以上を占めております。逆に分泌過多となる疾患がバセドウ病です。橋本病の症状としては、夏なのに寒気がする、疲れやすい、抑うつ気分になるといったものが挙げられます。日本人女性の約1割が橋本病だと言われており、それほど珍しい疾患ではないですが、甲状腺に出来ものがある場合などは、悪性腫瘍にならないよう経過観察が必要です。一方バセドウ病では、動悸がする、汗をかきやすくなる、人によっては下痢になるなどの症状がみられます。怒りっぽくなるなど、性格が変化することもあり、治療後に「そういえばあの頃、随分怒りっぽくなっていたな」と振り返られる患者さんもいらっしゃるぐらいです。バセドウ病は橋本病ほど罹患者は多くありませんが、内服薬治療で副作用をきたすケースでは甲状腺手術や放射線治療を検討します。

クリニックとしては珍しく、甲状腺ホルモン分析機を導入しております。検査結果は当日中にお伝えするよう心掛けております
■管理栄養士も協働し、幅広い生活習慣病に対応
―糖尿病や甲状腺疾患以外にも、内分泌系疾患には生活習慣病などがあります。貴院ではどのような治療をされていますか?
永島院長 コレステロールについては先程触れましたが、他にも特に高血圧の治療に力を入れております。140mmHg以上が高血圧とされますが、170や180ぐらいでも自覚症状が表れない方は多くいらっしゃいます。高血圧を放置していると心筋梗塞や脳卒中など、将来の大病リスクを増加させます。血圧は基本的にお薬でコントロールしますが、塩分摂取量を控えて頂くだけで人によっては血圧が30ぐらい下がることもあります。当院では管理栄養士による減塩のアドバイスも行っておりますのでご利用ください。
―診療について詳しく伺ってまいりました。改めて貴院ならでは強みや特色を教えてください。
永島院長 基幹病院に劣らない質の高い医療を提供できるよう、可能な限り医療機器を整備しました。「血算・HbA1c検査機器」「甲状腺ホルモン分析器」「心電図・超音波機器」「レントゲン室」を備えておりますので、一般的なクリニックではすぐに出せない血液や甲状腺の検査結果についても、当院では当日にお伝えすることが可能です。また定期的に通院されている患者さんについては、診察の前に必ず問診室に入って頂き、看護師による問診、血圧や体重の測定を行います。この問診室の時間を気に入ってくださる患者さんも結構いらっしゃいます。スタッフ間の情報共有にもなりますので、今後も問診と診察のダブルチェックを継続していきます。また当院では、特殊なマスク(CPAP)を用いた睡眠時無呼吸症候群の治療も行っております。高血圧と関連が深い疾患ですので、睡眠の質に不安がある方はご相談ください。
―最後になりますが、地域住民の方にメッセージをお願いします。
永島院長 糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患については、根気よく治療を続けていくことが重要です。その意味でJR旭川駅の近くにある当院は、皆様にとって通いやすいクリニックだと思います。内分泌疾患に限らず他の内科疾患にも可能な限り対応し、専門医の診療が必要だと判断した場合は早急に基幹病院をご紹介いたします。また、風邪や季節性インフルエンザの治療、ワクチン接種についても随時対応しております。お身体の不調を感じられた時は、遠慮なく当院にご相談ください。
※メディカルケアガイド2026年旭川市版に掲載されたインタビュー記事です
診療時間
| 時間 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 祝 |
| 9:00~12:30 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
| 14:00~18:00 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||||
| ※月曜午後のみ14:15~18:00 休診日:日曜・祝日 |
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