医療法人 光健会
十川眼科
- 眼科

大学病院で培った技術を地域眼科医療へ
白内障・網膜硝子体手術において、道内屈指の執刀数と実績を誇る旭川市の十川眼科(2019年開院、理事長・十川健司氏)。開院から僅か6年で2つの分院を増設し、今や道東・道北の眼科医療の中核的存在となった。地域医療にかける思いや3院体制の今後について、十川健司理事長に話を伺った

十川 健司 理事長
■難症例の白内障手術も多くの場合は日帰り対応
―旭川医科大学で長年キャリアを積まれ、白内障・網膜硝子体手術のリーダーを務められたと伺いました。大学を離れ、2019年に十川眼科を開院された経緯を教えてください。
十川理事長 高齢化に伴い、白内障・硝子体疾患の患者様は年々増えてきています。手術を待っている患者様のお役に立ちたいという思いもあり、「大学病院で培った技術を地域医療へ」という理念を掲げ開院しました。
―十川理事長の卓越した医療技術はもちろん、15以上の医療機器を備えていらっしゃるのも貴院の特筆すべき点です。
十川理事長 そもそも、当院にお越しいただき検査をされた患者様を、さらに詳しい検査のために大きな病院にご紹介するのでは患者様の負担になってしまいます。診察から手術や術後のケアまで、当院で一貫して行うことが患者様のメリットになると考え、医療設備の面でも大学病院に近いレベルの維持に努めております。
―貴院では白内障手術の執刀数が年間1200件を超え、道内屈指の数字を誇っておられます。白内障の症状や手術内容と併せ、執刀数に関するご自身の評価について伺います。
十川理事長 レンズの役割をしている水晶体が白く濁ってくるのが白内障で、主に加齢が原因となる疾患です。濁った水晶体を人工の水晶体(眼内レンズ)に取り換える手術となりますが、当院では極小切開で行うため、ほとんどの場合は日帰りしていただけます。執刀件数について自己評価するのは難しいところで、一般の外来診療を減らさない方針の元、できる限りの手術を行っております。道内各地の医療拠点から、難症例の患者様をご紹介いただくケースが当院では多いことを考えると、年間1200件という手術件数はまずまずではないでしょうか。執刀件数を伸ばすのも重要ですが、むしろ難易度の高い白内障手術を適切に行い、患者様を地元の病院へお返しすることにやりがいを感じております。
―近年、白内障の日帰り手術を行う眼科医院が増えてきましたが、執刀数だけで評価はできないというわけですね。十川理事長のおっしゃる難症例の白内障とは具体的にどのような症例なのですか?
十川理事長 初期・中期を過ぎて水晶体全体が白く濁り始めてきた状態が「成熟白内障」ですが、この段階までくると難症例の白内障と言え、手術の難易度も上がります。また、進行度合いによらずレンズを支える力が元々弱い方もおられ、この場合はレンズを固定する特殊な技術が必要な手術となります。他の疾患と同じで、白内障も早期治療が大事なのは言うまでもありません。ものが霞んで見える方、ご高齢で白内障が心配な方には、当院での検査をお勧めいたします。
―白内障手術で使用する人工レンズは、主に3種類あると聞きました。
十川理事長 「単焦点眼内レンズ」「乱視矯正眼内レンズ」「多焦点眼内レンズ」の三つとなります。遠近両用の多焦点眼内レンズは選定医療(保険治療と併せて受けられる自費治療)となりますので、経済状況などで敬遠される患者様もいらっしゃいます。当院ではなるべく敷居を下げてご提供できるよう努めておりますので、ぜひ一度お問い合わせください。術中に乱視の補正ができるVERIONシステムを導入しておりますので、患者様一人ひとりに合った多焦点眼内レンズをお選び致します。
―次にアイステント(低侵襲緑内障手術)について伺います。緑内障と白内障を一度に手術するケースが多いそうですが、両疾患は併発していることが多いのですか?
十川理事長 緑内障の有病率は10~15人に一人と言われており、放置しておくと失明の危険性がある疾患です。白内障の手術をするご高齢の世代では、緑内障を併発している方が一定数いらっしゃいます。さらにお年を召され通院が難しくなる時のことを考えると、緑内障や眼圧の高い方で白内障を併発している場合は、白内障の手術時に眼圧の治療も同時に行うことが患者様のメリットになります。

丁寧で分かりやすい説明が好評。納得いくまでご相談ください

患者様にとって最も適当と思われる治療法をご案内・ご提案いたします

高度な医療機器を備えた手術室。滅菌消毒を徹底しております
■グループ3院体制で疾患別・エリア別の役割分担へ
―網膜硝子体手術でも、貴院は年間200件以上の実績を誇っておられます。眼科手術の中では比較的難しいのが硝子体手術とされております。
十川理事長 網膜の疾患には網膜前膜・糖尿病網膜症・網膜剥離などがあります。手術としては、眼球の中にある硝子体を切除し、網膜の機能を回復させることが主眼となりますが、高い医療技術に加え高度な医療機器が必要となります。当院では25&27ゲージシステムによる無縫合小切開硝子体手術を行っており、低侵襲のためほとんどの場合は日帰りしていただけます。視野が狭くなったり、ものが歪んで見える場合、早急な治療が必要な硝子体疾患の可能性がありますので、すぐ当院までお越しください。
―さて貴院では2022年に「ふらの眼科」、23年に「十川眼科 大町院」と相次いで分院を新設されました。設立の狙いや、それぞれの役割について教えてください。
十川理事長 これまで、ふらのからバスで1時間ほどかけて当院に通ってくださるお年寄りの方が多くいらっしゃいました。ふらの眼科は地域医療への貢献と患者様の利便性に配慮し設立に至りました。齋藤美和院長が主に診療にあたっておりますが、私自身も月に一度通い、本院で手術をされた患者様などの症状を現地で確認しております。一方の十川眼科 大町院は緑内障を中心に診療を行うため設立し、院長として緑内障治療のスペシャリストである中林征吾医師をお迎えしました。今後当院では、疾患別・エリア別に役割を分担をしながら、地域医療への貢献を考えております。また、全身麻酔による手術が必要な場合などは、提携する旭川医科大学病院をご紹介いたします。
―最後になりますが、十川理事長から地域住民の方にメッセージをお願いします。
十川理事長 手術を控えた患者様の不安なお気持ちに配慮し、ご家族にも入室していただける完全個室の手術待機室を3部屋設置しております。また緊急手術や機材の滅菌消毒等を安心して任せられるよう、大学病院でキャリアを積んだ看護師・看護助手を在籍させるなど、設備面だけではなくスタッフの充実も図っております。これからも、地域の方々に頼って頂けるような医院づくりを心掛けてまいります。緊急性の高い網膜剥離等の手術は随時受け付けておりますので、遠慮なくお問い合わせください。

明るく開放的な吹き抜けの待合室。患者様にリラックスして頂ける空間となっております
※メディカルケアガイド2025年旭川市版に掲載されたインタビュー記事です
診療時間
時間 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 祝 |
9:00~12:00 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
14:00~18:00 | 1 | 1 | ||||||
14:00~18:00 (手術) | 1 | 1 | 1 | |||||
※木曜午後は手術日ですが、第4木曜のみ診療あり |
-
医療法人 光健会
十川眼科