医療法人
大曲ファミリークリニック
- 内科
- 外科
- 小児科

診療科目の垣根を越え、365日毎日診療
2003年の開院以来「365日毎日診療」の方針を掲げ、間断なく地域医療に貢献してきた大曲ファミリークリニック(北広島市大曲緑ヶ丘)。多くの基幹病院と密に病診連携を図りつつ、診療科や年齢・性別の垣根を越えた「総合医療」を実践、北広島市の救急当番にも対応している。道内での導入は珍しいドロップスクリーン検査をいち早く採用するなど、医療設備の刷新にも余念のない日髙輝夫院長に話を伺った。

日髙 輝夫 院長
■患者様の状態を見極め2種類の病診連携で対応
―日髙輝夫院長が2020年に三代目院長に就任され、三年以上が経ちました。院長ご自身は内科・腎臓内科の専門医でいらっしゃいますが、診療科目は変えない方針でしたか?
日髙院長 私が着任する以前から、当院は「内科」「小児科」「外科」と幅広い診療科目を掲げておりました。私自身も長く救急医療に携わり、縫合などの外科的処置が可能ですので、診療科目を変更せず継承することができました。むしろ病院の形態を変えず、これまで通り患者様の幅広いニーズにお応えすることが地域貢献につながると考えております。
―貴院の特筆すべき特徴の一つが、2003年の開院以来継続している「365日毎日診療」です。日髙院長と濱野貴通副院長のお二人で、365日診療を続けていくのは大変ですね。
日髙院長 医師だけでなく、看護師・事務職員を含め、スタッフ全員の理解と協力なくして365日診療を維持していくことはできません。私が赴任した当時は、休みの少なさや半休の入り混じった複雑な勤務ローテーションが職員の負担となっておりました。なんとか時代に即した労働環境が作れないものかと思案し、社会保険労務士の方にもご協力頂き、現在では週休3日制のローテーションを実現できました。
―さて、近年では診療科目や医師の専門資格の細分化が進んでいます。そんな中、貴院は診療科の枠にとらわれない「総合診療」を理念とされているのはなぜですか?
日髙院長 当院が目指すのは家庭医のような存在で、身体や健康について何でも最初に相談できるクリニックです。突然体調を崩した場合、患者様ご自身で病気の原因を特定するのは困難です。にもかかわらず、総合病院のように呼吸器内科、循環器内科、消化器内科など診療科が細分化されていると、どの診療科に行けばいいのか迷う方が多いのではないでしょうか。例えば胸の痛みでは肺疾患・心疾患・胃腸疾患などが考えられますが、実は皮膚科領域の帯状疱疹だったという場合もあります。どの診療科にいくべきか、迷った時はまず当院に来ていただいて診察をさせてください。患者様の体調不良の原因を見極め治療にあたりますが、場合によっては適切な基幹病院・診療科をご紹介いたします。
―医療連携の話が出たところで、貴院の病診連携について伺います。
日髙院長 当院では主に「急性疾患」と「慢性疾患」の二種類の病診連携を行っております。当院にお越しの患者様の中には、髄膜炎や重症肺炎、心筋梗塞など早急な治療が必要な方もいらっしゃいます。こうした急性期の重症疾患を見逃すことなく、基幹病院に紹介するのが「急性期疾患の病診連携」です。一方、もともと基幹病院へ通っていた患者様で、ご自宅が当クリニックに近い方をご紹介いただくのが「慢性期疾患の病診連携」です。足腰の衰えなどが原因で基幹病院への通院が困難になった場合、先方と連携を取りながら当クリニックにて患者様のケアを行います。主な連携医療機関は札幌徳洲会病院、JCHO札幌北辰病院、NTT東日本札幌病院、KKR札幌医療センターなどです。
―次に、貴院で診療を行っている「家庭医療」について教えてください。
日髙院長 地域全体を対象として、日常よく遭遇する健康問題に対して、年齢や疾患を問わず、予防医療、多疾患併存や、心理社会的問題などを含めて、家族との関係性も重視しつつ、包括的に対応するのが家庭医です。健康をトータルで考える総合医療的な知識が必要で、当院の濱野貴通副院長が専門としています。例えば、「食事ができない」という症状であっても、お子様とお年寄りでは治療のアプローチが変わります。過敏性腸症候群などでも、ストレス性のものや思春期の発達の問題が原因の場合があります。医師と患者様本人だけでなく、ご家族とともに考え治療を進めていくのが家庭医療専門医の役割です。濱野副院長は小児科も専門としており、生後6か月未満の乳幼児のワクチン接種なども安心してお任せできる心強いパートナーです。

院内はアットホームな雰囲気で、待合室にはキッズルームも設置しています

腰椎と大腿骨の骨密度が正確に測れる全身用骨密度測定装置。被ばく量が少ないのも特徴です

血管脈波検査装置で患者様の血管年齢を測定し、適切なお薬の処方と血圧管理につなげます

レントゲン撮影装置はデジタル式の新しい機器を導入しております
■ドロップスクリーン検査でアレルギー患者に救いの手
―道内の病院では珍しく、貴院ではアレルゲンの特定に有効なドロップスクリーン検査を行っておられます。導入に至った経緯を含め、ドロップスクリーン検査について教えてください。
日髙院長 365日診療を行っていると、じんましんなどアレルギー症状の急患の方が増えていることに気が付きました。残念ながらアレルゲン特定のため以前行っていた血液検査は、採血に多量の血液が必要で、そのために注射針での採血が必要であったり、結果まで時間がかかったりといった問題がありました。そんな折、知り合いの医師から「指先から採るたった1滴の血液で、41種類のアレルゲンを30分で特定できる検査方法がある」と紹介してもらったのがドロップスクリーン検査でした。先日、修学旅行を控えた高校生がじんましんで来院され、検査の結果「お米」がアレルゲンだと判明しました。修学旅行中はお米の摂取を控えた食事を楽しみ、無事に全日程を終えられたことを伺い嬉しく思いました。道内ではまだ馴染みの薄い検査ですが、アレルゲンが迅速に特定できるため、急性期の病診連携の際にも役立ちます。
―全身用骨密度測定装置も導入しておられますが、こちらも日々の診療に欠かせないものですか?
日髙院長 高齢化が進む現在、老齢医学的見地から骨粗鬆症ケアは非常に重要です。骨密度が低下しやすい腎臓疾患の方を、大学病院で長年ケアしてきた経験から、骨粗鬆症治療には元々関心がありました。骨密度の低下はお年寄りだけでなく、更年期の女性にも多くみられますので、老後のQOL(生活の質)を考え早めの治療をお勧めします。当院が導入した全身用骨密度測定装置は、少ない被ばく量で腰椎と大腿骨の骨密度が正確に測定できます。「身長が低くなった」「運動能力が衰えた」などの自覚がある方は、骨粗鬆症の可能性がありますのでぜひ当院にご相談ください。抗RANKL製剤、ビスホスホネート製剤などの投薬で改善することがあります。
―血管脈波検査装置やレントゲン撮影装置については?
日髙院長 血管脈波検査装置では患者様の血管年齢が測れます。知らず知らずのうちに実年齢を超えた血管年齢の方がいらっしゃいますので、高血圧の方は一度、当院で検査を受けてみてください。また、定期的に検査を受けていただければ、血管年齢の推移を確認しながら適切なお薬の服用と血圧管理ができるようになります。レントゲン撮影装置についても、デジタル式の新しい機器を導入しておりますのでご安心ください。
―最後に地域住民の方にメッセージをお願いします。
日髙院長 「困った時は大曲ファミリークリニックに行けば大丈夫」地域の方にそう思って頂ける病院を目指しております。利便性の向上を考えた病院のDX化も進めており、Web予約や自動会計システムなどをご利用いただけます。引き続き、患者様目線の診療と丁寧な接遇を心がけてまいりますので、お身体ことで何か悩みごとがあればお気軽にご相談ください。

※メディカルケアガイド2024年恵庭・北広島版に掲載されたインタビュー記事です
診療時間
時間 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 祝 |
9:00~12:15 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
14:00~19:00 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2025年4月1日から、午後診療は18:00までとなります 休診日:12月31日、1月1・2日 |
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