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インタビュー

独立行政法人 国立病院機構

旭川医療センター

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COPD・パーキンソン病・リウマチ 3疾患センターを備える地域医療の中核病院

全国各地に医療ネットワークを持つ国立病院機構。その中で、旭川市を拠点に道北地域の住民に質の高い医療を提供しているのが旭川医療センター(前身は1901年創設の陸軍第七師団衛戍病院)だ。120年以上にわたる病院の歴史から、同院が誇る3疾患センターの機能や地域医療の課題まで、多岐にわたり木村 隆 院長にお話を伺った。

木村 隆 院長

【専門】脳神経内科、神経・筋病理、パーキンソン病

【資格等】日本内科学会認定内科医・指導医、日本神経学会神経内科専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医、日本神経治療学会 評議員

【所属学会】日本神経学会、日本内科学会、日本自律神経学会、日本神経病理学会、日本神経治療学会、日本末梢神経学会、日本パーキンソン病・運動障害疾患学会、日本認知症学会、筋ジストロフィー医療研究会、日本筋学会

木村 院長 当院は1901年、陸軍第七師団衛戍病院としてスタートしました。後に国立療養所旭川病院と改名し、国立旭川療養所と統合する形で1972年、国立療養所道北病院になりました。元々は主に結核の方の治療を行う病院でしたが、罹患者の減少に伴い地域の基幹病院へと役割が変わり、2004年に国立病院機構 道北病院になりました。ただ、道北という表現ではどこにある病院か分かりにくいという声があったようで、先々代の院長のお考えで2010年8月から旭川という地名を入れた「旭川医療センター」に名称を変更し、今日に至っております。

木村 院長 当院は呼吸器内科や脳神経内科、膠原病を含む消化器内科で多くの実績を挙げてきた病院です。3次医療圏以外の地域からも、COPDやパーキンソン病、リウマチなどの治療を求める多くの患者様にお越し頂いております。センター立ち上げに際し、これらの疾患を三本柱として標榜したのは、地域のニーズに配慮した結果だと言えます。

木村 院長 救急医療告示機関とは、簡単に言えば救急車の受け入れを求められる病院のことです。旭川には当院を含めて5つの基幹病院があり、輪番で2次救急に対応しております。また当院は地域医療支援病院の承認も受けており、市内のクリニック等の緊急要請にも臨機応変に対応する必要があります。つまり救急医療告示機関に求められるのは、病診連携を含めた2次救急への取り組みだと言えます。一方、北海道がん診療連携病院としては、癌が疑われる患者様に正確な検査・診断を提供し、適切な手術や化学療法に繋げていく役割があります。機能指定に応えられるよう、更に充実したがん診療の提供を目指します。

木村 院長 まず、高齢者に適した医療を提供するために、地域包括ケア病棟が必要でした。というのも、体力のない高齢者の診療では、なるべく早く治療とリハビリを開始し、在宅復帰を目指さなくてはなりません。しかしながら在宅復帰に至る行程では、それなりの治療期間が必要となります。入院日数が限られる一般的な急性期医療等では、高齢者に必要な治療が十分行えない可能性もあります。では、治療・リハビリ・在宅支援という医療サイクルを実現するにはどうすればいいのか…そう考えた時に答えとして出たのが地域包括ケア病棟だったということです。在宅支援まで考えると、医師だけではなく看護師やソーシャルワーカー等の協力も必要となります。そこで当院では24年4月に訪問看護ステーション・はなさきを開設し、地域包括ケアへの取り組みを更に強化しました。当院には在宅療養後方支援病院としての務めもありますので、在宅医療を提供しているクリニック等から入院要請があれば24時間体制で対応します。また、必要に応じ医療機器の共同利用も実施しております。

広々としたMRI検査室。地域の基幹病院として当院には高度な医療設備が整っております

木村 院長 毎年3名の臨床研修医を受け入れておりますが、全国にネットワークを持つ国立病院機構は研修医にとって魅力的な機関だと言えます。例えば当院にない診療科での研修が必要となった場合、他の国立病院機構で臨床経験を積めるよう手配が可能です。また、病院自体の規模がそれほど大きくないため、アットホームな研修環境が提供できております。

木村 院長 まず看護師特定行為研修ですが、医師業務の一部(気管カニューレの交換、胃ろうカテーテル等の交換、褥瘡や慢性創傷の治療における壊死組織の除去など)を行える看護師の育成を指します。24年4月から働き方改革が施行され、医師の残業時間に規制がかかる中、特定行為看護師の存在感はますます大きくなっております。当院には研修を修了した看護師が2名在籍(24年12月時点)しておりますが、特定行為には21区分38行為の医療行為がありますので、もっと増やさなければなりません。一方の認定看護師とは、特定の疾患や病態、管理について知識を身につけた看護師のことで、例えば感染管理看護師やがん化学療法看護師などが該当します。看護大学等に半年~1年間通う必要があるため、看護部門の方でスケジュールを組んでおります。他にも当院ではコメディカル職種の人材育成に力を入れ、放射線技師や保健師、理学療法士、栄養士などの実習生を積極的に受け入れております。

木村 院長 ここ数十年をみてもSARSや新型コロナウイルスなど、定期的に新興感染症が発生しております。今後も新たな感染症が発生する可能性は十分あり、パンデミックに対する備えは必要です。その意味では当院には、先のコロナ禍において発生初期から治療にあたってきた大きな経験値があります。患者様の動線の分け方、ゾーニング(病院内の場所を区切ること)、消毒など、学んだことを今後に生かしていけると考えております。また結核病床が20床あることは感染症対策の上でメリットがあり、実際に新型コロナ禍では結核病棟をコロナ病棟として代用しました。結核病床以外にも当院には、一般病床と隔てたモデル病床が10床あります。新興感染症の拡大期においては、結核療養中の方にはモデル病床へ移って頂き、空いた結核病床を新興感染症の治療に充てることが可能です。

白を基調とした清潔感のある外来ロビー。ゆったりとしており、密にならないよう椅子の配置にも気を配っております

木村 院長 上川中部医療圏は1985年頃が人口のピークで、40万人を超えておりました。以後は減少を続け、2025年には約36万人になると推計されております。更には、今まで増えていた高齢者の数も25年以降は減少フェーズに入っていきます。病院の経営的に言うと、どうやって患者様を確保していくのか、確保できないのであればどのように病院をダウンサイジングしていくのかが問題になってきます。現在のところ当院では、規模を縮小するのではなく患者様を積極的に確保していく方針です。もちろん、体制を整えていく必要があります。しばらくは高齢者の多い状況が続きますので、当院としてまずは「高齢者対応をフレキシブルにできる病院づくり」を心掛け、同時に「地域住民が利用しやすい病院」へと体質転換を図っていきます。カバーする医療圏については今後詰めていかなければなりませんが、私としては石狩川以北の比布・和寒・士別・名寄まで含んだ地域を固めていきたいと考えております。

木村 院長 すでに10年ほど前から介護施設・福祉施設等の方と連携を図り、定期的にケースカンファレンスを実施しております。この地域には多くの老人介護施設や福祉施設がありますので、そういった施設と協力医療機関として契約を結ぶことで、ありがたいことに高齢の患者様を確保できております。また、時代に合わせた病院改革を進めるため、病院DXも進めてまいりました。電子クリティカルパス(入院中の治療や検査などをスケジュール表にまとめた計画書)の利用は現状で75%ほどは達成しておりますが、医師・看護師・薬剤師など多職種連携で円滑な治療を推進していくためにも、更なる浸透を目指します。

木村 院長 当院に対して敷居が高い印象を持たれている方がいらっしゃると思いますが、決してそんなことはありません。地域の方に開かれた病院を目指し、スタッフ一同で頑張っております。病院の中を見学するだけでも構いませんので、ぜひ当院に足を運んでください。また各種医療セミナーや病院健康祭りなどのイベントも開催しておりますので、多くの方のご参加をお待ちしております。

※メディカルケアガイド2025年旭川市版に掲載されたインタビュー記事です

診療受付時間

時間
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13:00~16:00     (泌尿器科) 1
休診日:土曜・日曜・祝日