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社会医療法人 蘭友会

札幌里塚病院

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2024年に老年内科を新設 患者様に合わせた高齢者医療を提供

札幌市清田区にある札幌里塚病院では、2024年4月に老年内科を新設、併せて訪問診療の強化を図るなど高齢化社会のニーズに合わせた医療を展開している。循環器・総合内科・高血圧・老年内科という複数の専門医資格を有す佐々木晴樹内科・循環器内科・老年内科部長に、同院の目指す高齢者医療についてお話を伺った。

佐々木 晴樹  内科・循環器内科・老年内科部長

佐々木部長 お年寄り特有の病気が増えてくる中、この清田区には心臓・循環器疾患や認知症など、高齢者に多い病気を専門的に診ることができる病院がそれほど多くありませんでした。循環器の診療一つとってみても、若い方とお年寄りでは治療のアプローチが変わってきますので、高齢者の多い地域のニーズに応えるため老年内科を立ち上げました。昔は65歳以上が高齢者とされていましたが、現在では75歳以上を老年内科の対象とするのが一般的です。しかし、認知症やADL(日常生活動作)が低い方の場合、当院では74歳以下の方であっても老年内科の対象となります。

佐々木部長 先ほど申し上げた通り、若い方とお年寄りではすべての診療科で治療のアプローチは変わります。例えば血圧ですが、高血圧学会では若い方の降圧目標は130/80mmHgですが、75歳以上の方の降圧目標は140/90 mmHgと定めております。ところが腎臓学会では、腎臓疾患のある高齢者の降圧目標が150/90 mmHgとされており、老年内科では既往歴にも配慮をし患者様個別で目標値を定めます。またコレステロールに関しても、動脈硬化学会が定めたガイドラインはありますが、下げすぎると筋肉量が減少しフレイルを招く可能性があるとして、80歳以上は対象外となっております。このように、どんな疾患でもガイドライン上の管理目標値というのはありますが、お年寄りの治療では年齢や既往歴を加味した個別の判断が必要となります。その意味で、老年内科の存在意義は今後ますます高まってくると考えております。

佐々木部長 睡眠時無呼吸症候群の診断では、睡眠時にPSG(ポリソムノグラフィー)検査を行います。無呼吸低呼吸指数(AHI)が5~15回未満の場合は軽症、15~30回未満の場合は中等症、30回以上の場合は重症と診断されます。AHIが20回以上の方には、治療をお勧めしております。この睡眠時無呼吸症候群には、脳から呼吸中枢への伝達に問題がある「中枢性」と気道の閉塞による「閉塞性」があり、前者の治療では在宅酸素療法が必要になります。閉塞性の場合、就寝時に口や鼻にマスクをつけ、特殊な装置で気道に空気を送り込むCPAP療法(経鼻的気道持続陽圧療法)という治療法が確立されております。当院でも導入しておりますので、ご希望の方はご相談ください。

佐々木部長 当院の老年内科では、無理な延命治療はお勧めせず、患者様の意志に寄り添った自然な形での医療を提供しております。患者様が人工呼吸器等を用いる積極的な延命治療をご希望される場合は、適切な病院をご紹介します。訪問診療に関しては、医師をはじめ看護師・薬剤師・事務方など職種を越えたワーキンググループを立ち上げ、24年から力を入れて取り組んでおります。例えば90歳を越えられるようなご高齢の患者様が外来でいらした場合などは、受付等で長時間お待たせするのは適切ではないため、医師や看護師から訪問診療のご案内を差し上げます。後日、近隣のケアマネージャーやソーシャルワーカー等と多職種協働で話を進め、同意が得られた段階で訪問診療を開始します。軌道に乗った現在では、最高齢で101歳の方にご利用頂いております。

佐々木部長 当院は高血圧専門医がいる清田区で唯一の病院です。その意味では血圧を中心とした循環器医療に力を入れている病院だと言えます。ですが、目指しているのは単なる循環器内科ではありません。老年内科を併設している強みを生かし、血圧等の絡みの中で、認知症など高齢者に多い疾患までアプローチしていける循環器内科でありたいと考えています。ご高齢の方で治療に不安を感じていらっしゃる方は、ぜひ当院にご相談ください。

※メディカルガイド2025年清田区版に掲載されたインタビュー記事です

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