札幌徳洲会病院2026取材記事 | 北海道の病院・医療施設の検索サイト メディカルケアガイド

インタビュー

医療法人 徳洲会

札幌徳洲会病院

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「胆石」「鼠径ヘルニア」「ストマ」「乳腺」「緩和ケア」5つの専門外来を開設 消化器疾患を中心に質の高い外科医療を提供

徳洲会グループ10番目の医療機関として、1983年に開院した札幌徳洲会病院(札幌市厚別区)。「生命だけは平等だ」の理念を掲げ、40年以上にわたり地域医療を支えてきた基幹病院だ。専門外来から救急医療まで幅広く対応する同院では、診療体制のさらなる充実を目的に、2026年から「胆石センター」と「鼠径ヘルニアセンター」を新設した。両センターの特徴や、同院外科が担う幅広い診療について、斉藤 琢巳 外科主任部長と城田 誠 外科部長に話を伺った。

斉藤 琢巳 外科主任部長

旭川医科大学医学部卒業。日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定機構がん治療認定医、難病指定医、臨床研修指導医

城田 誠 外科部長

旭川医科大学医学部卒業。日本外科学会外科専門医、日本ヘルニア学会鼠径部ヘルニア修得医、難病指定医、臨床研修プログラム責任者、臨床研修指導医

斉藤外科主任部長 当院は1983年、徳洲会グループ10番目の病院として北海道に初開院しました。外科は開院当初から診療を行っており、40年以上の歴史があります。消化器疾患を中心に、乳がん、鼠径ヘルニア、気胸など幅広い疾患の治療を行っており、胆石症や胆嚢炎、虫垂炎、腸閉塞、大腸がんなどの治療でも実績を重ねてきました。現在は6名の外科医師がそれぞれの専門性を生かしながら診療にあたっています。治療方針を決める際には、内科や放射線科とも連携し、適切な医療を提供できるよう心がけています。昨年25年度の手術件数は566件で、今後も地域のニーズに添って対応力を高めていきたいと考えています。

斉藤外科主任部長 従来の切開手術も行いますが、中心となるのは腹腔鏡下手術です。いずれを選択するかは、病気の種類や患者様の状態によって判断します。例えば胆石や胆嚢炎、大腸がんでは、当院では約8割が腹腔鏡下手術です。術後の回復が早く、患者様・医師双方の負担を軽減できます。腹膜炎など緊急性の高いケースでも、当院では可能な限り腹腔鏡下で対応しています。

斉藤外科主任部長 胆のうや胆管に石ができて、様々な症状を引き起こすのが胆石症です。結石の存在する部位により胆のう結石、総胆管結石、肝内胆管結石などがあります。胃や背中に痛みが出て来院されるケースが殆どですが、健診等のエコー検査で偶然見つかることもあります。胆嚢炎などでは、痛みに加えて発熱などの症状もみられます。治療については、内科的処置も含めた説明を行い、必要に応じて胆のう摘出等の手術を行います。また、急性胆嚢炎に対する早期腹腔鏡下手術や、総胆管結石に対する腹腔鏡下一期手術に対応する体制も整っております。

城田外科部長 鼠径部(股の付け根)にある筋肉の隙間や穴から、内臓が出てくる疾患が鼠径ヘルニアです。対象臓器としては腸が最も多いのですが、腸にまつわる脂肪、女性の場合は卵巣が出てくる場合もあります。痛みや違和感を覚えて来院される方もいらっしゃいますが、自覚症状で一番多いのは鼠径部の膨らみに気が付くパターンです。鼠径ヘルニアについては、薬や注射では治らないので、治療方法は手術一択になります。膨らんだ鼠径部を切開する従来の手術もありますが、当院では腹腔鏡下手術を採用しております。

斉藤外科主任部長 乳腺専門医による乳がんの検診と治療を軸に診療を行っています。乳がん治療では、部分切除や全切除が現在でも標準的な治療法ですが、乳房に傷跡が残ることや変形が生じる課題があります。そこで近年注目されているのが、乳房の切除を伴わない「ラジオ波焼灼療法(RFA)」という治療法です。この治療では、がんのしこりに特殊な針を刺し、電磁波でがん細胞を70℃に加熱し変性壊死させます。当院は日本乳癌学会からRFA実施施設として認定を受け、2024年12月からラジオ波焼灼療法を開始しました。早期発見が鍵となる治療法であり、対象となるのは腋窩リンパ節や遠隔転移のない1.5㌢以下の限局性早期乳がんです。その他、頭皮冷却装置を導入し、抗がん剤治療による脱毛ケアや、形成外科と連携した乳房再建術に力を入れ、患者様の心理的負担に寄り添っております。

斉藤外科主任部長 ストマというのは人工肛門や人工膀胱のことです。人工肛門では、パウチという袋を腹部に装着したり外したりしながら排泄管理を行います。装具の不具合や皮膚トラブルに対応するのが「ストマ外来」です。当院には皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)が在籍し、装具の調整から生活上の相談まで幅広く支援しています。時には人工肛門の作り直しなど外科的治療につながることもあり、専門職の役割は非常に大きいと感じています。

斉藤外科主任部長 最初から終末期医療を担うということではなく、通常の抗がん剤治療をやりながら、徐々に終末期的な要素が大きくなっていくという感じです。つまり、抗がん剤治療を受けておられる方の心身のケアを終末期までトータルで担い、生活の質(QOL)を高めることを目的とした診療を実践するのが緩和ケア外来です。入院が必要な場合、グループ病院である札幌南徳洲会病院緩和ケア病棟をご利用頂くことも可能です。また当院では訪問看護ステーションを併設し、要支援・要介護状態にある方や病気・障害等により自宅療養が必要な方の支援も行っております。看護師・理学療法士が定期的にご自宅を訪問し、住み慣れた環境で安心して療養生活が送れるようお手伝いさせて頂きます。

札幌徳洲会病院では、胆石や鼠径ヘルニアなど様々な疾患に対し、低侵襲な腹腔鏡下手術を行っております

斉藤外科主任部長 一番の狙いは、当院の得意分野である「胆石」と「鼠径ヘルニア」の診療を強化することでした。この2分野をセンター化することで、近隣クリニックから手術を必要とする患者さんの紹介を受けやすくなりますし、当院としても1人でも多くの方の治療を担うことで地域医療に貢献したいと考えております。

城田外科部長 鼠径ヘルニアに関しては、当院では年間120件ほど手術を行っており、かなり治療実績の多い病院だと自負しております。ただ、患者様や近隣クリニックに対して周知が行き届いているかというと微妙な部分がありました。その意味で、センター化により当院の強みを知って頂ける良い機会になりました。また、単に執刀数が多いというだけではなく、当院外科では治療の質にもこだわった診療を提供しております。低侵襲な腹腔鏡下で行う当院の鼠径ヘルニア手術では、術後2日での退院を設定しております。高齢者の手術も多く手掛けており、90歳を超える方の症例でも実績があります。また、小児科が併設されている強みを活かし、小児(生後8か月以上)の鼠径ヘルニア手術に対しても腹腔鏡下で行い、術後は小児科病棟に入院して頂けます。看護師も小児科担当のものが付き添いますので、ご両親にも安心して頂けると思います。センター化についてはもう一点、少し内向きの話になりますが、当院で一緒に働きたいと思ってくれる医師や看護師が増える契機になればと願っております。

斉藤外科主任部長 外科に限った話ではないですが、救急医療を24時間体制で行っております。一般の急性期疾患のみならず、特にがんに関連した救急症例が多いことが当院の特徴です。緩和ケアに取り組む病院として認知されていることもあり、症状の軽重を問わず、がん患者の方が多く搬送されてきます。がん救急に対するマネジメントは確立できており、結果的にはその点が当院救急医療の強みになっております。

斉藤外科主任部長 昨年は566件の手術を行いましたが、定期の手術で精一杯というような状況ではありません。必要な時には臨時手術にも対応が可能です。"救急車で担ぎ込まれたら、たまたま徳洲会だった"ということも多々あるかと思います。軽い症状から重い症状まで、様々な患者様にご来院頂いております。どんな状況であっても、必ず良い医療を提供するよう努めております。どうぞ安心してご来院ください。

城田外科部長 鼠径ヘルニアの外来を担当していて感じるのですが、他の病院で手術をお断りされた方や、腹腔鏡下手術ができないと診断された方が多く来院されます。もちろんリスクを考えた上で、他院で出された結論だと考えられます。そういった患者様に対しても、当院ではリスクを十分に吟味し、違った形でセカンドオピニオンが出せる可能性があります。他院でできないとされた腹腔鏡下手術でも、当院では可能な場合が多々あります。患者様と一緒に考え、ご了解のもとで良い治療を提供してまいります。些細なことでもぜひ当院にご相談ください。

※メディカルケアガイド2026年厚別区版に掲載されたインタビュー記事です

外科診療時間

時間
9:00~11:30 1 1 1 1 1 1
13:30~16:00 1 1
水曜午前:胆石外来、ストマ外来(予約制)
木曜午後:鼠径ヘルニア専門外来(予約制)
土曜午前:外来担当医
休診日:土曜午後・日曜・祝祭日