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ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック

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循環器内科・糖尿病内科・総合内科 トリプルライセンスを活かし幅広く診療

2022年7月、札幌市清田区に開院した「ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック(前身・ひらおか内科胃腸科)」。 院長の檀浦 裕 氏は、循環器内科・糖尿病内科・総合内科の3つの専門医資格を保有する全国的にも数少ない存在だ。幅広い知見を活かした診療を提供する院長に、循環器疾患と糖尿病の関連性から予防医療の重要性まで詳しくお話を伺った。

檀浦 裕 院長

2006年北海道大学医学部卒業。06~17年まで、市立札幌病院で循環器内科、救命救急センター、糖尿病内分泌内科などを歴任。17年には市立札幌病院 下肢救済センター 副センター長兼任。 2022年、ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック開院、現在に至る。

檀浦院長 最初に専攻したのは循環器内科ですが、循環器疾患は糖尿病と深い関わりがありますので、並行する形で糖尿病内科も履修しました。

檀浦院長 例えば心臓疾患と糖尿病を併発した患者様がいらっしゃったとします。循環器内科医師はある程度、糖尿病の治療もできますが、インスリン治療などより専門的な治療が必要な場合、糖尿病内科にお任せすることになります。逆のパターンも同じで、糖尿病内科医師は血糖値のコントロール等はできますが、併発した心臓疾患の治療は循環器内科に委ねるしかありません。ほとんどの総合病院が循環器内科と糖尿病内科を独立させているのは、どちらの科も専門性の高い診療科だということです。その意味で、循環器・糖尿病双方の専門的な治療が一つのクリニックで提供できるのは、当院の大きな強みだと言えます。さらに、総合病院に比べ待ち時間が短く、患者様にそれほど負担をかけず質の高い診療を提供できます。もちろん、総合内科専門医として、糖尿病や循環器以外の疾患にも対応が可能です。

檀浦院長 糖尿病の罹患歴が長くなり、血糖のコントロールが悪い方は、大血管障害を起こしやすいことが良く知られております。大血管障害とは心筋梗塞や狭心症、足や心臓の血管が詰まったりする末梢動脈疾患などを指し、こういった循環器疾患を来たしている方の一定割合は、糖尿病を併発しています。さらに心不全や不整脈についても、糖尿病との関連性が指摘されております。そのため、糖尿病を伴う循環器疾患の治療では、血糖値のコントロールを併せて行う必要があるのです。

檀浦院長 罹患者の多い疾患としては、心不全・狭心症・不整脈・心筋梗塞などがあり、それぞれ症状は異なります。心不全は息切れや体のだるさ、足のむくみなどで気が付くことが多く、歩くことに辛さを感じるようになった場合などは注意が必要です。冠動脈の狭窄によって起きるのが狭心症で、歩くと胸が痛み、休むと良くなるといった症状が表れ、中には歯の痛みを訴えられる方もいらっしゃいます。一方、冠動脈が閉塞してしまうのが心筋梗塞で、命にかかわる重篤な状態で激しい胸の痛みを伴います。不整脈では動悸の症状が表れます。治療に関してですが、心不全などはエビデンスが確立されているお薬がありますので、症状が軽い場合は投薬治療を中心に進めてまいります。心臓弁膜症など手術が必要な疾患の方や、不整脈のアブレーション治療を望まれる方には適切な病院をご紹介します。狭心症のカテーテル治療は私の専門ですので、ご希望の方には市立札幌病院で私が執刀させていただきます。

檀浦院長 血糖が高くなると、全身の倦怠感や急激な体重の減少、夜間のおしっこの回数が増えるなどの症状が表れます。治療はまず、食事・運動療法が基本となります。特に生活習慣と関わる2型糖尿病の場合は、問診で原因と考えられる食習慣などを探ります。例えば間食が多い方にはどうやったら減らすことができるかを一緒に考えさせて頂き、可能であれば運動不足の解消もお勧めします。あまりに血糖値が高い方には、食事・運動療法と並行して投薬やインスリン治療を行います。また、循環器疾患を併発していないかどうか、当院ではNT-proBNP(心不全マーカー)等のチェックも行います。

檀浦院長 10秒以上の無呼吸・低呼吸の状態を、睡眠時に頻繁に繰り返すことが睡眠時無呼吸症候群の定義です。無呼吸・低呼吸の状態が60分間で20回を超える方が治療の対象になります。呼吸が止まる状態を繰り返すと心臓に負担がかかり、高血圧や心臓疾患の隠れた原因になります。睡眠時無呼吸症候群は、気道が狭くなる閉塞性のものと、脳から呼吸中枢への神経伝達に問題がある中枢性のものに大別されます。前者は舌根沈下や肥満が主な原因で、いびきに繋がる傾向があります。他の症状としては日中の眠気や倦怠感があり、居眠り運転や労働災害を招きかねない疾患と言えます。

檀浦院長 診断ではPSG(ポリソムノグラフィ)検査を行います。以前は一泊の検査入院が必要でしたが、現在は機器が進歩し自宅でできるようになりました。アップルウオッチのような腕時計型の機器で、眠っている間に呼吸や血液中の酸素飽和度など、さまざまな生体信号を測定できます。

睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられる医療機器CPAP(シーパップ)。現状では最も効果のある治療法で、自宅で行えるメリットもある

檀浦院長 現状では良い治療薬はありませんが、睡眠時にマスクを着けて無呼吸を予防するCPAP(シーパップ)という治療法があります。昔に比べて持ち運びが可能な程度に小型化され、マスクのフィッティングもしやすくなりました。今のところ睡眠時無呼吸症候群の治療法としては最も効果があります。当院ではPSG検査やCPAPを取り扱っており、診断から治療まで可能です。日中の眠気や倦怠感などでお悩みの方は一度検査にお越しください。

檀浦院長 予防医療の重要性については、市立札幌病院の救命救急センターや下肢救済センターで多くの重症者に接し、強く感じるようになりました。例えば心筋梗塞での搬送では、残念ながら約10%の患者様が亡くなられます。カテーテル治療等で命を取り留められた方でも、搬送時の血糖値やコレステロール値が高く、深刻な状態の場合がほとんどです。また下肢救済センターでも、治療が遅れて足を切断せざるを得ない患者様をたくさん診てきました。心筋梗塞や下肢切断に至るケースはいずれも、「もう少し早く生活習慣病を改善していれば治せたのに」という患者様ばかりです。勤務医時代のこうした苦い経験を活かし、現在は日々の診療や市民講座などで早期発見・早期治療の重要性を皆様にお伝えしております。

檀浦院長 CCTの主催者から声を掛けて頂き、2016年から毎年参加しております。私自身が講演することもありますし、デモンストレーションを行った先生方にコメントすることもあります。以前から製薬メーカーから講演会の依頼もありますが、最近ではカテーテル治療の第一人者としてご紹介頂けることを大変光栄に思っております。CCTなどの学会は若手医師育成の場でもあります。残念ながら下肢閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療では、若手医師の育成が十分ではありません。今後も、私が培ってきたスキルを学会等で伝えていきたいと思います。

2024年に開催された国際的な医学学会(CCT2024)。檀浦院長(写真㊨)は下肢閉塞性動脈硬化症カテーテル治療の第一人者として、2016年から毎年招待されている

檀浦院長 札幌は大きな病院が比較的多いとはいえ、中心部に固まっております。郊外に位置する清田区ではクリニックも少なく、総合病院もありません。また、地下鉄の駅が無いため医療アクセスに不自由を感じていらっしゃる方が多いかと思います。当院は、清田区の皆様に総合病院レベルの医療を提供することを目標に掲げております。私自身は現在も週に一回、市立札幌病院で診療を行い診療スキルのアップデートを行っております(毎週金曜日)。総合内科専門医でもありますので、様々な症状に対応いたします。専門外の疾患であっても、適切な病院や診療科をご紹介しますのでご安心ください。健康維持、重症化予防、そして治療の道標として当院をご利用ください。

※メディカルケアガイド2025年札幌市清田区版に掲載されたインタビュー記事です

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