KKR札幌医療センター
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人間ドッグや生活習慣病予防健診から二次検診まで、基幹病院の検診がweb予約で身近に
札幌市豊平区のKKR札幌医療センター(1952年開設)は、医療のデジタル化を多角的に推進してきた。人間ドッグや生活習慣病予防健診のweb予約をはじめ、2025年5月からは他施設健診で要精密検査となった二次検診受診者にも適用を拡大している。web予約システムの充実を急いだ理由はどこにあったのか、また、同院の先進医療を支える医療機器やがんの集学的治療等についてまで、磯部 宏 病院長にお話を伺った。

磯部 宏 病院長
1981年 北海道大学医学部卒業。米国マイアミ大学医学部 腫瘍学講座留学、北海道大学医学部 第一内科、国立札幌病院(現北海道がんセンター)呼吸器科 医長、KKR札幌医療センター 副院長などを経て、2016年から現職。
■外来診療の日程調整も患者様と直接やりとり
―まず、貴院の歴史について教えてください。
磯部病院長 当院は、結核対策に重点を置く154床の「幌南病院」として1952年に発足しました。罹患者の減少で結核病棟は1985年にその役目を終え、一般病院へと転換を図りました。その後は札幌市の発展に合わせ増床を重ね、2006年の全面新築を機に「KKR札幌医療センター」と改称し、現在に至っております。
―2024年に医師の働き方改革が施行され、地域の基幹病院として医療のデジタル化(医療DX)を進めてこられたと思います。現在の状況はいかがですか?
磯部病院長 まずマイナ保険証が医療DXの基盤と考え、利用促進に向けた体制を整えました。併せて医師の働き方改革のみではなく、全職員の業務効率化を考え、当院ではRPA(人間がPC上で行う定型業務をソフトウェアロボットが代わりに行う技術)を導入するなど、医療全般の効率化を進めました。病院自体のデジタル化については順次整いつつあると思いますが、一方で紹介制の外来を原則とする当院のような「地域医療支援病院」の場合、院内のDXだけでは患者様や地域医療機関のニーズに対応しきれない課題も出てきました。
―その課題を解決するため、検診等のweb予約システムを強化されているわけですね。
磯部病院長 当院には付属の健康管理センターがあり、人間ドッグや生活習慣病予防健診、特定健診など幅広く行っております。以前は電話予約が中心で、繋がりにくいという声を利用者から頂いておりました。また当院職員も、予約受付中の3、4時間は電話応対に追われるなど、業務上の不都合がありました。そこで、利用者と職員の双方にメリットがあるweb予約を実施し、さらに今年の5月から対象を拡大して要精密検査となった二次検診の方のweb予約も受付を開始しました。他院で検診を受けられた方も、当院で二次検診が受けて頂けますので、どうぞご利用ください。web予約に関しては、「便利になった」と概ね好評で嬉しく思います。また職員の業務もはかどるようになり、スムーズな予約受付が可能となりました。検診等を希望される方は、当院ホームページにアクセスしweb予約を行ってください。24時間365日、お申し込み可能です。
―さらに、地域医療機関との病診連携においては、紹介患者様の受診日時を貴院と患者様で決定する予約システムを構築されたと伺いました。クリニックとの日程調整は難しさがあったのですか?
磯部病院長 地域のクリニック等には、かなり以前から時々アンケート調査をしておりました。先方からの要望で最も多かったのが、紹介患者様の受診日時を、もっとスムーズに決められないか、というものでした。どうやら、当院とクリニックで日程調整をしている間、患者様を院内に足止めしてしまうなど、不都合があったようです。クリニックの声を反映し、先方から患者様の紹介を受けた場合は今後、当院と該当患者様で日程の調整を行います。現在、連携している医療機関にシステムについて順次お伝えしている最中ですので、本格稼働はこれからです。
―地域医療支援病院の貴院では、患者様から紹介状の受け取りが必要かと思います。紹介状の提出はどうすれば良いのですか?
磯部病院長 紹介状をファックスで送信、あるいはPDFにして予約サイトに添付して頂きます。仮の紹介状として受け取り、確認ができれば受診日時の照会に移ります。紹介状の原本は患者様が当院にお越しになる際に提出くださるのが原則ですが、クリニックからの予約連絡が明らかであれば、クリニックからの原本郵送が受診後になっても許容しようと考えております。

直腸がん、前立腺がんの治療からスタートしたダヴィンチXiによるロボット支援下手術ですが、現在は適用範囲が広がり、呼吸器外科・婦人科疾患の治療にも使用しています

24年に完成したハイブリッド手術室。心臓血管外科や脳神経外科での難しい手術で威力を発揮しております
■ハイブリッド手術室など先進医療機器を完備
―さて、貴院は地域を代表する基幹病院です。先進医療を支える医療機器について伺います。
磯部病院長 近年のトピックスとしては、23年のダヴィンチ Xi サージカルシステム(手術支援ロボット)導入や24年に完成したハイブリッド手術室があります。直腸がん・前立腺がんの治療からスタートしたロボット支援下手術ですが、現在では消化器外科・泌尿器科はもちろん、呼吸器外科、婦人科の疾患等にも適用しており、今後はさらに汎用性が高まってくると考えております。ダヴィンチに関してはその正確性や低侵襲な手術に焦点が当たるのは当然ですが、ロボット支援下手術に関心のある優秀な医師の招聘にも役立つなど、副次的なメリットも病院側にはあります。一方ハイブリッド手術室は主に心臓血管外科や脳神経外科の分野で威力を発揮し、特に胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術で使用しております。他にもCT(320列・80列)、MRI(3T・1.5T)がそれぞれ2台あり、検査の種別に応じ使い分けられるのも当院の強みです。

地域がん診療連携拠点病院として、薬物療法を行う化学療法室。がん治療に詳しいスタッフが揃っておりますのでご安心ください
■緩和ケアまで一貫した集学的がん治療を提供
―2009年には「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、集学的治療に取り組んでおられます。治療の中身について伺います。
磯部病院長 がんの集学的治療とは、手術・抗がん剤等の薬物療法・放射線治療法を複数組み合わせ、さらに緩和ケアまでの一貫した治療を指します。地域がん診療連携拠点病院の指定を受けている当院では、診断から治療、緩和ケアまでの一貫したがん診療を、地域医療機関と密接な連携を取りながら行っております。先程の医療機器の話の補足となりますが、札幌市の豊平区・清田区・南区でリニアック(放射線治療装置)を導入しているのは当院のみですので、放射線治療もしっかり対応してまいります。
―緩和ケアの話が出ましたが、がん患者様の終末期を含めたケアを行うのが貴院の緩和ケア内科、緩和ケア病棟なのですか?
磯部病院長 日本ではがんの患者様のほか、エイズも緩和ケア病棟での対象疾患となっておりますが、血液内科がない当院では、がん患者様のケアが中心です。緩和ケア病棟では、「ときに治し、しばしば慰め、つねに緩和する」という理念のもと、がん診療の経験豊富な医師や看護師、コ・メディカルが連携し患者様に継続的・総合的な多職種チーム医療を提供しています。また、訪問看護ステーション等との連携により、自宅での療養もサポートします。
―貴院は救急医療でも地域貢献しておられ、札幌市の二次救急の多くを担当しておられます。救急車は年間、どのくらい受け入れておられるのですか?
磯部病院長 年間で3000台を超えております。平日の日中は週に1~2日、連携する北海道大学救命救急センターの医師が当院にて対応しております。それ以外の日も、内科・外科などの常勤医師1名が専任で救急対応にあたり、可能な限りお引き受けすることが原則です。救急当直医とは別に集中治療室にも専属の医師が常時当直し、重症の方が救急来院した場合、迅速に集中治療を開始できる体制も整えております。さらに急性心筋梗塞・心原性ショック・急性心不全・致死性不整脈・重症肺塞栓症・心肺停止などに24時間365日で対応する循環器救急を運営しております。
―最後に、地域住民の方にメッセージをお願いします。
磯部病院長 国の方針で、地域の皆さまには「かかりつけ医」を持つことが推奨されております。その施策に基づき、当院では紹介状による外来診療を行っております。どうか早いうちに、お近くの診療所・クリニックの先生をかかりつけ医として選ばれることをお勧めいたします。私たちは、皆さまの暮らすこの地域全体を一つの大きな病院と考えています。日常の投薬や生活習慣に関する指導はかかりつけ医の先生にお願いし、緊急時の救急受診や入院による検査・治療が必要な際には当院が担当し、病状が安定しましたら再びかかりつけ医の先生に通院いただく、そのように役割を分担しながら地域全体で医療を支える体制です。この仕組みへのご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

人間ドッグ・二次検診等をご希望の方は、上の二次元コードを読み取り予約を行ってください
※メディカルケアガイド2025年札幌市豊平区版に掲載されたインタビュー記事です
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