札幌徳洲会病院2024取材記事 | 北海道の病院・医療施設の検索サイト メディカルケアガイド

インタビュー

医療法人徳洲会

札幌徳洲会病院

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専門医の連携による包括的小児医療

徳洲会グループ10番目の医療機関として、1983年に開院した札幌徳洲会病院(札幌市厚別区)。「生命だけは平等だ」の理念を掲げ、40年以上にわたり24時間・年中無休で札幌市民の健康を支えてきた基幹病院だ。20以上の診療科の中から、今回は小児科をクローズアップ。金田眞副院長(小児科主任部長を兼任)に、同院の小児科各種専門医療から今後の展望まで詳しくお話を伺った。

金田 眞 副院長・小児科主任部長

日本専門医機構認定小児科専門医(日本小児科学会)
日本専門医機構認定小児科指導医(日本小児科学会)
日本血液学会血液専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本血栓止血学会認定医
臨床研修指導医

金田 副院長 全国的に町の小児科クリニックは減少傾向にあり、北海道でも、特に道北では小児科の不足がいわれております。幸い道内には、医学部と附属病院を併設する大学として北海道大学・札幌医科大学・旭川医科大学の3つがありますので、小児科医師の育成はできる環境にあります。今後の課題は、道北をはじめ小児科医療が不足している地域へ、いかにして医師や設備を分配していくかだと考えています。

金田 副院長 地域で開業されていた小児科医師の高齢化が進み、少子化の影響や後継者問題もあり、クリニックを維持していくことが難しくなってきているのではないでしょうか。また医学部を卒業した後は附属病院に入局し、そのまま勤務医として残る選択をする医師が増えたことも、クリニック減少の一因と考えられます。

―1983年の開院以来、貴院は基幹病院として地域医療を支えておられます。小児科医療を取り巻く環境が厳しくなる中、基幹病院として心掛けていることや、他院との連携について教えてください。

金田 副院長 厚別区・清田区・白石区・東区をはじめ、北広島市などの医療機関から患者様をご紹介いただいた場合、日曜祝日であっても可能な限りお引き受けいたしております。病状の回復をみて大丈夫だと判断できれば、慢性疾患でない場合、かかりつけ医のもとに患者様をお返しするという医療サイクルを大切にしております。また、札幌市の二次救急(入院や手術を要する重症患者を365日24時間体制で受け入れる救急医療)も担当するなど、救急医療にも積極的に対応しております。

金田 副院長 夜までカバーするのは難しいかもしれませんが、午前診・午後診・夕診の三体制で引き続き外来診療を行ってまいりますので、診療時間内にお越しいただいた患者様の場合、紹介状がなくても診療をお断りすることはありません(夕診は月・水・金曜のみ)。コロナは2類から5類に変更されましたが、現在でも患者様の診療数に制限をかける「発熱外来」システムを残したままの病院やクリニックが多くあります。現状だと、インフルエンザの流行時期やコロナ再拡大の局面において、医療機関にかかれないお子様が出てくるのは目に見えています。当院はコロナ禍でも、かかりつけ医を受診できなかった患者様を臨機応変に多く引き受けてきた実績がありますので、今後も発熱外来を含む一般外来は制限を設けずに対処してまいります。

金田 副院長 当院の小児科には現在、常勤医師5名と非常勤医師3名が在籍し、一般外来は、午前診・午後診は医師2名、夕診は1名体制で診療にあたっております。

金田 副院長 当院には血友病センターが併設されている関係もあり、「小児血液」外来では血液凝固異常症等の治療で実績を挙げております。ご家族に血友病の患者様がいる方、お子様の出血が止まりにくいと感じておられる方は当院の小児血液外来にご相談ください。「遺伝」「小児神経」の外来では主に、てんかんなどの中枢・末梢神経障害のお子様に対し、遺伝的側面を加味しながら包括的な治療を行います。また、甲状腺疾患や低身長、思春期早発症などの治療にあたるのが「小児内分泌」外来です。症状や疾患に合わせホルモン治療等を採り入れていきます。そのほか「小児循環器」「小児感染症」外来でも、経験豊富な医師がそれぞれの疾患に合わせた治療を提供してまいります。各専門医が相談しあいながら、質の高い専門治療をいつでも提供できる体制が整っているのは当院の強みです。

小児科のカンファレンスでは、医師と看護師がチームとなって診療方針について話し合い、それぞれの患者様に合った医療の提供に努めております

金田 副院長 ワクチンの進化などもあり、肺炎球菌やインフルエンザ菌感染症等で重症化するお子様は少なくなってきました。加えて少子化ということもあり、全国的に小児科の病床数は減ってきておりますが、当院では現在も23床を維持し、医師5名体制で入院病児のケアにあたっております。また、チーム医療に保育士を加えることで、入院病児とご両親の心身の負担の軽減に努めております。医師や看護師とは違い、入院病児にとって保育士は遊び相手であり心の安らぎに繋がります。ご両親にとっても、お子様が保育士といる時間は安心して目が離せ、看病で疲れた心身を癒して頂けると考えております。コロナ禍で一時閉鎖していたプレイルームも現在は再開し、節分・ひな祭り・クリスマスなど季節のイベントでも活躍できる保育士の存在は、当院の小児科医療に欠かせないピースとなっております。

男性を怖がる傾向のあるお子様がいらっしゃいますので、当院小児科には大島美保医師(写真)をはじめ、複数の女性医師が在籍し診療にあたっております

金田 副院長 産婦人科では妊婦様と胎児の健康を分娩まで担当し、産まれた赤ちゃんは基本的に小児科医が診ます。帝王切開や早産・難産が予測できる場合、小児科医が出産まで待機します。また35週未満の早産の場合は、NICUのある病院に母体搬送することも考慮に入れ対応しております。産婦人科と小児科がチーム医療を提供できるという点は、総合病院の強みですので、引き続き小児科の力を新生児医療にも生かしていきたいと考えております。

金田 副院長 当直明けの医師も、翌朝の回診が終われば帰宅できておりますので、現状の人員でやっていけると判断しております。ただし当院でも、医師の高齢化が進んでおりますので、若い医師を補強していく必要があります。状況を見極め医師の増員と若返りを進めていき、今後も質の高い医療の提供を続けていきたいと考えております。

金田 副院長 安定した小児医療を末長く患者様にご提供していくことが私たちの願いです。一般の小児科医療はもちろん、各専門分野についても質の高い医療を提供できるよう研鑽を積んでまいります。当院HPには「全科予約制」と記載がありますが、小児科に関しては診療時間内であれば、予約なしで受け付けております。お子様の健康のことで困った時は、いつでも当院にご相談ください。

※メディカルケアガイド2024年札幌市厚別区版に掲載されたインタビュー記事です

小児科診療時間

時間
9:00~11:30 1 1 1 1 1 1
15:30~17:00 1 1 1 1 1
17:00~19:00 1 1 1
休診日:土曜午後・日曜・祝日