メディカルケアガイド手稲区インタビュー記事
※メディカルケアガイド2024年手稲区版に掲載されたインタビュー記事です
循環器内科をご専門とする澤井圀郎医師が、2002年に開業した澤井内科循環器クリニック(札幌市手稲区)。2023年4月から、消化器病専門医のご子息が院長の職を引き継ぎ、医師二人体制に移行した。新院長に就任された澤井康弥氏に、消化器・循環器それぞれの専門医がいるクリニックの強みについてお話を伺った。
―澤井院長は早稲田大学をご卒業と同時に、旭川医科大学に入学された異色の経歴をお持ちです。
澤井 院長 高校生の頃は経済学に興味があり、早稲田大学政治経済学部へ進学しました。金融関係の仕事につくことを考え経済学を学んでいましたが、就職や将来について考え始めた大学3年生の時に、医師という仕事に、より魅力を感じている自分に気が付きました。循環器内科医師として社会貢献をしている父の姿が、潜在意識にあったのかもしれません。大学の授業と医学部の受験勉強を両立させるのは大変でしたが、医師になることをモチベーションにして、何とか乗り越えました。
―以前は斗南病院で腫瘍内科医としてお勤めでした。抗がん剤治療をしてこられたキャリアを、クリニックの診療でどう生かしていらっしゃいますか?
澤井 院長 斗南病院では、症例として多い大腸や胃、膵臓などのがんはもちろん、希少がんまで幅広く抗がん剤治療を行ってきました。深刻な状態のがん患者様を日常生活に戻せた場合などは、腫瘍内科医として手応えを感じる一方、抗がん剤治療の副作用に対しても、適切な治療が必要だと感じておりました。抗がん剤治療では、血圧や糖尿病の管理はもちろん、副作用として表れる吐き気や腹痛など様々な症状にも対応しなければなりません。当院にお越しの患者様も、一人ひとり違う症状を抱えておられるという意味では、抗がん剤治療の様々な副作用に対応してきた腫瘍内科医時代の経験が、クリニックでの診療に生かせているといえます。
―2023年4月のタイミングでご尊父(澤井圀郎氏)からクリニックを継承されました。経緯について教えてください。
澤井 院長 父も70歳を超え、診療が大変だという話を聞いておりましたので、私のほうから父に医師二人体制での診療を提案しました。2017年から月に1回程度、外来や胃カメラ・腹部超音波検査などで父の手伝いに来ておりましたので、私自身はすんなりとクリニックでの診療に対応できました。父の方も週3回、診療を行っておりますので、循環器疾患を抱えておられる方はご相談ください。
―院長は消化器内科、ご尊父は循環器内科がご専門ということで、診療に厚みが出たのではないですか?
澤井 院長 消化器・循環器の専門医が一つのクリニックいる点は、患者様にとってもメリットだと考えております。例えば初診の患者様を私が担当し、動悸や息切れなど循環器疾患の症状があると判断した場合は、父の診療を受けていただく手配をいたします。逆に父が診た患者様の血液検査などで、消化器疾患を疑うデータがあれば、私が胃カメラや腹部超音波検査等を行います。お互いの専門知見で補完しあうことで、より質の高い診療の提供に繋げます。
―消化器病専門医として、院長が最近注目しておられる疾患はありますか?
澤井 院長 胃カメラ等の検査で異常がないにもかかわらず、胃の不調や満腹感が続く「機能性ディスペプシア」という疾患に注目しております。ストレスなども関連していると言われている比較的新しい概念の疾患ですが、お腹の動きを整える薬を処方すると改善することがあります。原因のわからない胃の不調や満腹感が続く方は、ぜひ当院にお越しください。
―最後になりますが、地域住民の方にメッセージをお願いします。
澤井 院長 おかげさまで当院は、父の開業から約22年が経ちました。何でも相談できるクリニックを目指し、昨年4月から親子二人三脚で患者様の診療を行っております。循環器と消化器それぞれの専門医がいる強みを生かし、できるだけ当院で治療を完結させることを目標に診療にあたっておりますが、手術等が必要な場合は、近隣の高度医療機関を紹介しますのでご安心ください。また、健康診断・企業健診や各種予防接種にも随時対応いたします。今年3月にホームページを開設しましたので、そちらで詳細をご確認ください。
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