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2024/05/27 14:39
病院 | 内科循環器内科糖尿病内科
医療法人社団

ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック

〒 004-0876 北海道札幌市清田区平岡6条3丁目10-1
tel 011-885-2110 電話をかける

糖尿病の方、足の傷にご注意を‼

  • 白を基調とした清潔感のある院内に、広々とした黄緑色の椅子を配置しております。密にならないように、間隔を空けてお座りください

  • 全国1000人以上の医療従事者が見守る中、檀浦院長の卓越したカテーテル治療が中継された SLDC(札幌ライブデモンストレーションコース)

足の切断に至る不幸から、糖尿病の患者様を救いたい―。「ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック(ひらおか内科胃腸科の名称を改め2022年7月開院、札幌市清田区)」の檀浦 裕 院長は、循環器内科と糖尿病内科の専門医資格を併せ持つ、全国的にも数少ない存在だ。足病治療のエキスパートでもある院長に、糖尿病が足の病に繋がるメカニズムや、重症化させないポイントについてお話を伺った。

下肢切断を招かないため早期発見・早期治療を

欧米では診療科目として確立されている「足病科」ですが、日本ではあまり馴染みがありません。糖尿病の専門医として、檀浦院長が足病の治療に力を入れるようになった経緯を教えてください。
檀浦院長 血糖値のコントロールをせずに糖尿病を放置していると、神経障害や動脈硬化の合併症を起こし、結果として下肢の血管や足先の毛細血管が虚血状態となり、壊疽(えそ)に至るケースがあります。市立札幌病院の下肢救済センターに勤務していた時に、下肢切断せざるを得ない重篤な壊疽の患者様をたくさん診てきました。足首より上を切ることを「大切断」、かかとを残して指先などを切る場合は「小切断」と呼ぶのですが、下肢救済センターでの治療成績では、残念ながら約1割の患者様で大切断を行わざるを得ませんでした。多くの患者様を診るにつれて早期発見・早期治療が大切断回避に必要だという思いが強くなり、足を失う患者様を減らしたいという思いで、足病の治療に取り組んでおります。

糖尿病には1型と2型があります。足の壊疽に繋がりやすいのはどちらですか。
檀浦院長 足の傷が治りにくくなることが、壊疽を起こす一番の原因だという意味で、1型糖尿病と2型糖尿病に大差はないと考えています。傷が治りにくくなる要因としては、大きく分けて「神経障害」と「血流障害(血管の硬化・狭窄[きょうさく]・閉塞[へいそく])」の二つがあります。視点を変えて説明するなら、神経障害の方は糖尿病の1型、2型を問わず進行し、動脈硬化症など血流障害の方は、食べ過ぎなど生活習慣病としての側面がある2型糖尿病と、より関連性があります。

糖尿病の三大合併症として、神経障害・眼の網膜症・腎症が知られておりますが、足病を引き起こすメカニズムについて、詳しく教えてください。
檀浦院長 メカニズムとしては、先ほど申し上げた「神経障害」と「血流障害」に大別できます。高血糖の状態が長く続くと神経周囲の血管が傷み、神経そのものの働きが悪くなることで神経障害は起こります。一方の血流障害とは、糖尿病が原因で動脈の硬化や狭窄・閉塞が起こり、足先まで血液がうまく循環していない状態を指します。いずれにしても血流が関係しており、必要な酸素や栄養素が足先まで行き届かなくなることで、足の傷が治りにくくなり、結果として最悪の場合、下肢切断に至ってしまうことがあります。また、足病を悪化させてしまう副次的要素として、視力の低下と神経障害が考えられます。糖尿病網膜症の患者様は、足の先まで目が見えづらく、ご自身の足に傷があっても気が付かない場合があります。そこに神経障害が加わることで傷の痛みを感じなくなり、足病の発見が遅れてしまうのです。

早期発見のために、足病のサインとして知っておくべき症状はありますか?
檀浦院長 壊疽は最初はちょっとした傷から進行していきますので、足先まで傷や色調の変化を観察することで気が付くと思います。また、歩行中にふくらはぎに疼くような痛みを感じ、止まると治まるといった症状を繰り返す場合、間欠性跛行という動脈硬化性の足病サインかもしれません。

足に違和感を覚えた場合、内科と整形外科のどちらに行けばよいのか、迷う患者様もいらっしゃいます。
檀浦院長 内科的な治療が必要な足病は、傷のほかに「むくみ」として表れることがあり、心不全や腎臓・肝臓・甲状腺などの疾患が潜んでいる可能性があります。当院にお越しいただければ、病的要素の検査をさせて頂きます。また、単に塩分や水分の摂り過ぎ、立ち仕事などが原因のケースもありますが、その場合でも、むくみの解消法をご提案します。一方、足のしびれや痛みなどで整形外科的な処置が必要な場合は、適切な病院をご紹介します。

2㍉程度の血管を治療できる、カテーテルの名手

檀浦院長はカテーテル治療のエキスパートとして、他院では治療困難な足病を治してこられたと伺いました。足のカテーテル治療の難しさはどこにありますか?
檀浦院長 重度の動脈硬化の患者様になると、膝下にある直径2㍉程度の細い血管が、20~30㌢詰まっていることがあります。2㍉ほどの閉塞した血管を広範囲に治療する技術を持っている医師はそれほど多くなく、他院で治療が困難な場合は当院にご紹介頂いております。当クリニックにお越しの患者様で、カテーテル治療が必要な場合は、市立札幌病院にて私が担当いたします(毎週金曜日)。カテーテル治療が終わり、足の傷などの治療を継続する場合は、そのままクリニックで行わせて頂きます。

SLDC(札幌ライブデモンストレーションコース)では、全国1000人以上の医療従事者が見守る中、檀浦先生のカテーテル治療が生中継されました。しかも術者として、2年連続で檀浦先生に白羽の矢が立ちました。
檀浦院長 これまで行ってきた2000件を超えるカテーテル治療の実績が評価されたわけで、素直に誇りに思います。SLDCは医師や看護師などの医療従事者のスキルアップが目的のライブです。正直プレッシャーはありますが、私の技術を生で観て、膝下の難しいカテーテル治療に挑戦する若手医師が、一人でも多く出てくることを願っています。ライブ中には予期しない困難が発生する可能性もありますが、その困難を乗り越えていく技術まで披露するつもりで取り組んでいます。

SLDCのほか、檀浦院長は市民講座などにも引っ張りだこです。フットケアについて啓発していく原動力は何ですか。
檀浦院長 足を切断する悲劇を防ぎたいという思いだけです。糖尿病と足病の関係性で一番大事なのは、「足の傷」をできるだけ早期に発見して治療することです。「ただの傷だから」と油断して放置しておくと、本当に下肢を切断することになりかねません。ありがたいことに、クリニック開業後も市民講座や区民セミナーなどでの講演の依頼があります。また、院内のサイネージでもフットケアの掲示をしておりますが、巻き爪や靴ずれなど細かい症状の相談が増え、効果を実感しております。今後も引き続き、院内外での啓発活動に取り組んでまいります。

最後になりますが、地域住民の方にメッセージをお願いします。
檀浦院長 単にHbA1cを下げる糖尿病治療は、当院ではいたしません。循環器の専門医としての視点も大事にし、糖尿病の患者様に対しては血糖値と併せて心不全マーカー(NTーpro BNP)や動脈硬化のチェックを適宜行うなど、心臓病や足病などのリスクにも対応してまいります。また、当院では、なるべく項目を絞った血液検査をすることで、待ち時間の短縮に努めております。血糖値やHbA1cは約5分で結果が出ますので、事前に予約してご来院頂ければ、15分ほどで診療は終了します。血液検査に関しては、改めて翌日にもチェックしておりますので、病気が疑われる数値を発見した場合にはご連絡差し上げます。これからも、患者様一人ひとりのニーズに応える診療を提供してまいりますので、かかりつけ医として当院をご利用ください。

診療時間

時間
9:00~12:00
9:00~13:00
13:30~18:00

休診日:日曜・祝日 ※受付は診察終了時間の10分前まで

院長:檀浦 裕

2006年北海道大学医学部卒業。
08~17年まで、市立札幌病院で循環器内科、救命救急センター、糖尿病内分泌内科などを歴任。17年には市立札幌病院 下肢救済センター 副センター長兼任。
2022年、ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック開院、現在に至る。
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ひらおか内科 循環器・糖尿病クリニック

004-0876
住所
北海道札幌市清田区平岡6条3丁目10-1
tel
011-885-2110 電話をかける
HP
https://www.hiraoka-naika.com/
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