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2024/06/13 16:17
病院 | 血液内科消化器内科循環器内科呼吸器内科小児科脳神経内科放射線診断IVR科放射線治療科消化器外科乳腺外科心臓血管外科呼吸器外科脳神経外科整形外科リハビリテーション科産婦人科眼科耳鼻咽喉科皮膚科泌尿器科形成外科歯科矯正歯科歯科口腔外科麻酔科(辻口直紀)救急科精神神経科緩和ケア科病理診断科

市立函館病院

〒 041-0821 北海道函館市港町1丁目10-1
tel 0138-43-2000 電話をかける

整形外科を補強、さらに幅広く診療

  • 全国でも数少ない関節鏡技術認定医の資格を保有する山本祐司整形外科科長(写真㊨)。膝や股関節の疾患などでお悩みの患者様に、すばやく的確な関節温存手術や人工関節手術を提供することが可能です

  • 山本祐司整形外科科長(写真㊧)の指示のもと、術前・術後の患部の状態をチーム一体となって的確に判断いたします

函館市メディカルガイドインタビュー記事

メディカルガイド2024年函館市版に掲載されたインタビュー記事です


地域医療「最後の砦」として、函館市民の健康を守ってきた市立函館病院。今年4月、同院の整形外科に、全国でも数少ない「関節鏡技術認定医」の資格を持つ山本 祐司医師が加わった。森下 清文病院長ご同席のもと、整形外科科長に就任した山本氏に、同院整形外科の強化ポイントについて話を伺った。


【全国でも数少ない関節鏡技術認定医を招聘】

―2024年4月から、整形外科科長・主任医長として山本祐司先生を迎えられました。経緯を教えていただけますか?

森下 病院長 私ども市立函館病院の整形外科では、以前は当時の副院長がリーダーシップを執って診療にあたってまいりました。残念ながら、その副院長が2年半前に急逝され、代わりとなる指導者が整形外科に必要となりました。当院と関係の深い、弘前大学医学部付属病院の整形外科に、医師の派遣をお願いしていたところ、この度、山本祐司先生をご紹介頂きました。山本先生は弘前大学大学院医学研究科で准教授を務められ、教授の右腕として長年、活躍された経歴の持ち主です。2年越しのラブコールが実り、大変立派な医師をリーダーとしてお迎えできて、当院整形外科としては大変に盛り上がっているところです。また、函館市は高齢化の都市でありますので、膝の病気や骨粗しょう症などでお悩みの方が多くいらっしゃり、当院としても整形外科の強化は急務だと考えておりました。その意味でも、関節外科や鏡視下手術などで高いスキルをお持ちの山本先生の加入は、患者様にとっても非常に大きなメリットになると考えております。


―山本先生に伺います。市立函館病院様からの招聘を受け、どうお感じになられましたか? また実際に赴任されて、貴院の整形外科の現状をどう受け止めていらっしゃいますか?

山本 整形外科科長 実は医師になって1年目と2年目に、当院で勤務した経験がありましたので、不思議な縁を感じましたし、医師として新しい挑戦だと考えて快諾させていただきました。当院整形外科の現状としては、私を含め医師5人体制ですので、病院の規模からすると医師が少ないと思います。医局の事情もありますので簡単ではありませんが、あと1人ぐらいは医師を増やしたいのが実情です。


―山本先生は、全国でも数少ない「関節鏡技術認定医」の資格を取得しておられます。この資格について教えてください。

山本 整形外科科長 関節鏡視下手術は、特殊な器具を用いて行う低侵襲な手術で、高度な技術が要求されます。関節鏡技術認定医については、できて10年弱の資格で、取得者は全国でも110名、道南では私を含め2人しかいません(2024年5月現在)。認定試験は映像審査で行われ、膝の前十字靱帯再建術と合併半月板縫合術の手術映像(未編集の映像に限る)を日本膝関節学会に提出し、適切な治療ができていると認められれば合格となります。前十字靱帯や半月板の損傷はスポーツ選手に多く、競技への復帰には半年から9か月ぐらいかかります。選手生命に関わるケガですので、適切な手術と治療が、競技復帰のカギとなります。関節鏡技術認定医として、地域のスポーツ選手の身体のケアに貢献していきたいと考えております。


【サッカー日本代表 帯同ドクターを二期務めた実績】

―山本先生はサッカー日本代表の帯同ドクターを2011~12年(U-23・U-22)、15~17年(U-17・U-16・U-15)に務められたと伺いました。帯同ドクターになるための条件はあるのですか?

山本 整形外科科長 日本サッカー協会が主催するサッカードクターセミナー(年2回)に参加し、4回以上参加していれば代表ドクターになる資格が与えれます。オファーを得るのは簡単ではありませんが、私の場合、運よく当時のサッカー協会の医学委員長から直接ご依頼いただききました。2011~12年は国内のみの帯同でしたが、15~17年はヨーロッパ、チリ、ギニア、ウズベキスタンなど世界各地にドクターとして帯同しました。


―その後、A代表として活躍している選手には誰がいますか?

山本 整形外科科長 2011~12年だと大迫勇也選手(ヴィッセル神戸)、酒井宏樹選手(浦和レッズ)、酒井高徳選手(ヴィッセル神戸)などがいる世代で、15~17年世代では久保建英選手(スペイン:レアル・ソシエダ)、菅原由勢選手(オランダ:AZアルクマール)、中村敬斗選手(フランス:スタッド・ドゥ・ランス)らがいます【各選手の所属チームは2024年5月現在】。監督・選手・コーチ・トレーナなど、各代表スタッフの方々と過ごした時間は、整形外科医として貴重な経験となりました。


―さて、貴院でさらに力を入れていきたい疾患や治療はありますか?

山本 整形外科科長 股関節(小児含む)の診療をメインにやる医師が、函館地区ではそれほど多くないという意味で、股関節疾患の治療に力を入れることで地域貢献したいと考えています。特に股関節の人工関節置換術に関して、当院では筋肉を傷めるリスクが高い後方アプローチではなく、より低侵襲で脱臼率の低い前方アプローチにて手術が可能となっております。また重度の肩腱板断裂でも、当院ではリバース型人工肩関節置換術が可能となっておりますので、他院で手術が難しいと言われた方は当院にお越しください。もちろん関節鏡技術認定医としては、膝の変性疾患や靱帯損傷などスポーツ障害の治療にも力を入れていきます。


―冒頭で話に挙がった、骨粗しょう症治療に関してはいかがですか?

山本 整形外科科長 高齢化に伴い特に女性では、大腿骨の頚部骨折や転子部骨折の患者様が増えております。昨年12月から、当院では多職種連携で骨粗しょう症の治療を行う、FLS(骨折リエゾンサービス : Fracture Liaison Service)という取り組みを開始しました。リハビリテーションの視点から転倒予防の実践により二次骨折を防ぎ、骨折の連鎖を絶つことを目指します。脆弱性骨折患者に対する 「骨粗しょう症治療開始率」と「治療継続率」を上げることで、二次骨折は予防できるというデータが出ています。当院が行っているFLSの取り組みは、高齢化が進む函館地域のニーズに合った医療貢献だと考えております。


―最後になりますが、森下病院長から地域住民の方にメッセージをお願いします。

森下 病院長 山本整形外科科長の加入により、当院の整形外科では今まで以上に高度な治療が可能となりました。難度が高いとされる小児股関節治療においても、山本先生は実績をあげておりますので、お子様の股関節疾患でお悩みの方はご相談ください。4月から医師の働き方改革が施行となりましたが、当院では診療や救急の受け入れに影響はございません。全診療科、全スタッフが一丸となって、これまで通り質の高い医療の提供に努めてまいりますので、どうぞ安心してご来院ください。

診療時間

時間
8:30~11:30
13:30~15:00(予約のみ)
※診療科によって受付時間が異なる場合があります。詳しくはHPをご確認ください。

休診日:土曜・日曜・祝日・年末年始

病院長:森下 清文(写真左)

昭和57年、札幌医科大学卒業。平成13年札幌医科大学助教授、同15年ヘルシンキ大学客員教授。平成30年に市立函館病院病院長に就任、現在に至る。

整形外科科長・主任医長:山本 祐司(写真右)

平成8年、弘前大学医学部卒業。同12年、弘前大学大学院医学研究科修了 医学博士。令和5年、弘前大学医学部臨床教授、前つがる総合病院整形外科科長。
【専門分野・認定医・専門医】関節外科・鏡視下手術(膝関節、股関節、肩関節)、スポーツ外傷・障害、小児股関節。日本専門医機構認定整形外科専門医、日本膝関節学会認定関節鏡技術認定医ほか。

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https://www.kanbyou.jp/
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